我にかえれたなら、まだいい


我にかえれたなら、まだいい。
それくらい、ボロボロの世界を描く。
過去にとりつかれた人々の、それぞれの選択。


もう一度、やりなおせるのなら、やりなおすことができるのだろうか。
それさえも、かなわないような状況で生きてきた、そんな人たち。


人それぞれの、出来事がおこった過去へ、もう一度もどれたとしても、
変えられるということは非常にむずかしいような過去をもつ登場人物達。




ところで、深刻さに、幅はあるかもしれないけれど、
よく、考えすぎてはいけない、
という声を聞く。
考えておく、その境界をおしえてくれる作品でもあった。
なぜなら、その過去へとりつかれ、みぐるみはがされ、同化されてしまうからなのかもしれない。
気がつけば、そらを覆うほどの怒りにとりつかれてしまう。
我に返れるのなら、まだいい世界へと。



前半は、映画にもある、理想とかけはなれた人生、
といいつつ最善を帰すハートフルな主人公にみちびかれ、
後半に備えてかとおもわせるほど心をあたためてくれる。
みんな表情や服装にそれぞれの身内の問題をみせずにだけれど。
そのことも、うっすら指し示してはいるけれど、それでもなお、だった。




LAコンフィデンシャルを拝見していたので、
まだ見に行けたけれど、
わたしには、無念の宣伝角度だった。