ティムバートンの御伽噺の世界

ティム・バートン
コープス・ブライドを観てきました。

寂しさに負けてしまった女性はどうなるのか、
というその御伽噺。

でも、彼女自身、
その寂しさには
気づいていなかったのだとおもいます。


だからこそ、
母親がなんとか気づいて
フォローしてやれなかったのかという、
自分のことは棚にあげての、
気持ちになってしまったお話でした。



こちらの映画は、
チャーリーとチョコレート工場
と絶妙にリンクしています。


チョコレート工場では、


「子供たちは御伽噺を信じなくなった」


といったセリフが出てくるのですが、


どちらを先に見たとしても、
2作品分、
ずずーっ…と胸を深く突いてくるかもしれません。





先日、
大阪、関西テレビでの、

日本で一番喋る歌手である、
やしきたかじんさんの番組に、


阿川佐和子さんが出演されてらして、




お父様のお話になりました。



阿川さんのお誕生日に、
お父様がレストランへと連れていってくださったそうです。


そして、ここからティムバートンの作品へとリンクしてゆくのですが、



そのレストランから出てすぐ、
阿川さんは、


「寒い」


と仰ったそうです。
そう、外は冬。


ところが、寒い、
と阿川さんが口にした途端、
お父様はすごく怒ってしまって、


帰りの車のなかではずっとお説教。


とうとう


お母様には、「お前の躾が悪いからだ!」


と真っ白い息を吐く冬の最中、
車から降ろしてしまわれたほど、
お怒りになられたそうなのです。




わたしがこうして書くのは間違っているのかもしれませんが、



もう少し、男性のそうした繊細な機微を、
お母様が阿川さんに、


お話されていればなぁと、
残念におもったのです。


せめて、大げさなほど、嬉しそうにしなさい、と。



そうすれば、寒い、という言葉にも、
ああ、そうだね、
早く車へ行こう、


と、手をつないで連れていってくださったかもしれない。




コープス・ブライドの花嫁のお母様にも、
おなじ気持ちになっている私がいます。